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- 味に力があるピーナッツ
- チャレンジする気持ち
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2008.09.29 Monday先入観は、時として真実を見過ごしてしまうことがあります。かつて経験したことや勉強したことだけで、結論をだしてしまうことにより発見することができなくなってしまうことを避けなければなりません。
新しい技術の習得や発見は、柔軟な意識や態度により行われるようです。農業の面白さや奥深さを、あらゆる分野で活躍している農家と出会う中で感じることがあります。
自分では作ることができない生産技術を持っている人に出会った時や、生産している作物に出会ったときなどはチャレンジしたくなります。
一人では、一度に多くのことを経験することはできません。多くの人との交流の中で、学べることが多くあります。
学びの中で、納得できる技術や真実にめぐり合うことができるのかもしれません。つらいこともありますが、楽しいことも多いのが農業といえます。どきどきしながら、新しい技術や栽培方法にチャレンジし、予想を超えた味を持つ作物をつくることが出来ると、大きな喜びを感じることができます。
- 害菌の役割
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2008.09.28 Sunday農園に病気が発生すると、作物を守ろうとして農薬などを散布することが常態化しています。しかし、病気の発生が、必ずしも百害あって一理なしと言えるのでしょうか。まだ発見されていない病原菌などを含めて、多くの菌が棲み分け拮抗しています。何らかの理由で、一部の菌が異常に増殖することがあります。その菌が、作物にとって害を及ぼすと判断される場合は、害菌に対して壊滅的な打撃を与えるための措置を採ることが多いと思います。選択的に害菌だけを殺傷するのではなく、全ての菌にダメージを与える危険性を持った方法が主流ですから、一時的に菌界のバランスが崩されてしまいます。害菌と呼ばれる菌も、それぞれの役割を持っていると思われます。例えば、樹木の根を侵食したり枯らしてしまう菌が発生した場合の功罪です。確かに、根に対してダメージを与えられると樹木の成長に大きな影響を及ぼします。樹木は、地中に根を伸ばしながら成長しますが、全ての根が枯れずに成長すると古い根と新しい根が生存競争を行うことになります。害菌と呼ばれる菌も、根の新陳代謝が行われる際の補助的な要素を含んでいると捉えれば重要な役割を果たしていることになります。
- おいしい作物をつくる
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2008.09.27 Saturday季節の変わり目を感じることがあります。昨日まで半そでで作業していたのに、長袖の重ね着をしても寒さを感じる気温の低下に驚いてしまいます。汗を流しての収穫作業を行っていた昨日から一転して、野菜の収穫を行う手先が、寒さで震えてしまいそうな状況の変化です。
高地では、霜が降りるような季節になってきました。体調の管理には、万全の注意を払わないとなりません。昼夜の寒暖の差は、作物が美味しくなりますが、その理由は暑さと寒さへの対処によるストレスにあると言われています。このストレスが、旨みをだしているから美味しくなっているそうです。これらの環境変化の中で働く人にとっても、感じるストレスは、同様だと思います。体調の調節をスムーズに行うことができなければ、風邪をひきこんでしまいそうです。日頃の疲れが蓄積されている場合は、特に気をつけなければいけませんね。
作業する側も冬支度の準備をして、ストレスを受けて、より一層おいしくなっている作物の収穫作業を行いましょう。収穫が終われば、大切な土作りの準備が待っています。
- メインディッシュ
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2008.09.26 Fridayコース料理のメニューは、素材の味を最大限に生かして作られています。材料の吟味と素材を生かした調理は、シェフの思いや季節のメッセージが込められています。
秋の食べ物として天然のきのこがあります。天然のきのこを採る人は、経験に基づいて降雨のあとの林を探して歩きます。運がよければ、落葉の中から数種類のきのこを探すことができます。丁寧に一株ずつ採られたきのこは、その日の内にシェフに届けられます。届けられたきのこを見たシェフは、即座に感性を研ぎ澄ませて最善の調理方法を取り入れたメインディシュとサイドディシュを決めてメニューを完成させます。メインディッシュの料理を最大限に演出するための創意工夫は、シェフにより異なります。完成された料理は、食べる人にそれぞれの感激を与えてくれます。
シェフを悩ませるのは、素材が調理による工夫の余地を与えてくれないほどすばらしいときだと思います。調理をすることによって、素材の味を高めることができなければ、素材をそのまま食べていただくほうが良いことになります。
生産者は、シェフを困らせるほどの味になるような素材を提供することができたときに、ある種の喜びを感じることができるのかもしれません。自然と大地に感謝します。
- 収穫時期を確認する
- 戦いに巻き込まれている農業
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2008.09.24 Wednesday価格の乱高下は、生産する側も消費する側も振り回してしまいます。廃棄処分をするような状況から、青いダイヤと言われるような価格にまで価格変動をします。しかし、昨年の価格が良かったり、天候不順によって出荷時期がダブったり、生産量が増加したりすることで廃棄価格寸前で低迷が続くことがあります。
穀物が、投機対象となることは、生産者や消費者にとって良いことなのでしょうか。投資家と呼ばれる人たちは、世界情勢や気象予測などを駆使して相場を予測して売り買いを交錯させています。生産農家は、投資家の思惑に振り回されてしまいます。
あまりにも多くの状況を把握して取り組まなければ、農業経営が立ち行かなくなっている状況下に放置されている農家。生産に関する勉強や技術の習得、消費動向に関する理解や予測、品種特性の把握と向上に関する取り組み、病害虫発生予測に伴う予防管理など、、、多くの条件を乗り越えて、安全、安心な農産物を生産しても、価格低迷による所得の減少や資材の高騰などの追い討ちを受けてしまいます。
あらゆる状況の中で、自らの気持ちを奮い立たせている農家を応援する社会になってもらいたいですね。
- 産地間競争
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2008.09.23 Tuesday全国各県では、地域農業の活性化を目指して独自ブランドを立ち上げています。農業試験場では、長年に亘り品種改良を手がけて、品種登録を行っています。試験場での確認試験と平行して、地域の篤農家に依頼してフィールドテストを行います。将来の動向を予測しながらの仕事になります。全ての品種が、成功するわけではありません。農家にとって、栽培しやすい品種であったとしても消費者に受け入れてもらえなければ、消えてしまいます。発売と同時に反響を呼ぶ品種は、地域経済をうるおしてくれます。このような品種を他の産地に真似されないように、品種登録を行って保護しています。県としては、地域農家や関連企業などが潤えば、税収の確保ができることになります。従って、優良品種が他県に流出しないように保護しています。しかし、近年では他国への流出が問題となっています。品種登録される前につけられる試行番号のものが持ち出されてしまうことがあります。果樹農家などが剪定した廃棄用の枝を拾い、持ち去られてしまえば、分からなくなってしまいます。その国で、独自の果樹として生産された場合は、品名が異なるため同一の品種であることを証明することが困難になるからです。
いわゆる産地間競争は、国内ばかりでなく国外との間でも起こっています。色々な意味で気をつけなければいけないようです。
- 栄養成分の調節
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2008.09.22 Monday水耕栽培は、水耕栽培専用肥料を水に溶かし込んで作物を栽培します。秋田県立大学では、水溶液に投入するカリウムの量を抑制して、ホウレンソウに含まれるカリウムの含有量を通常の約4分の1に抑て、カリウム摂取が制限される腎臓病患者でも食べられるようにしたそうです。カリウムは植物の成長に必須で肥料(カリ肥料)として用いらています。植物の成長をコントロールして栽培することは、土耕栽培では困難なことです。
作物に含まれる成分量を調節することができるとなれば、水耕栽培による作物が成分表示されて販売される日が来るのかも知れません。対称となる土耕栽培による作物の位置づけは、どのようになって行くのでしょうか?
簡単に栄養分が調整できると言うことは、水耕専用肥料の中に、異物などの混入事故が起こる危険性を含んでいます。使用する資材は安全か危険か、疑心(ぎしん)暗鬼を生じざるをえない時代になっています。技術の進歩は喜ばしいことですが、一つ誤ると取り返しのつかない状況を作り出してしまうことも認識して取り組まなければなりません。食べる人の安全を確保することが、最優先であることに変わりはありません。