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- 肥料障害についてーイオウ(二次要素)
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2007.09.30 Sunday硫黄が欠乏すると(鉄、亜鉛、銅)が欠乏したときやと同様に上位葉からクロロシスが発生します。全体的に生長が悪くなり、窒素欠乏と類似した症状が現れます。どちらかと言うと新葉よりも古い葉に黄化現象が見られます。一般的には、欠乏症状が現れた場合、硫安、硫酸加里などを施用して対処しています。硫黄の場合、植物全体において過剰症はみられないようです。但し、肥料の多量施用は、土壌を酸性化するので少量施用を心がけます。また老朽化水田では硫化水素発生の原因となることがあるようです。硫酸酸性による過剰障害が発生した場合は、アルカリ性肥料、中性肥料、石灰肥料などを施用して徐々に改善します。
硫黄は、窒素と共にタンパク質の主成分で生長の調整を行います。タンパク質を作るアミノ酸には硫黄が不可欠なものもあります。酸化・還元に関与する成分とも言われています。
硫酸イオンで吸収され、体内で還元されてたんぱく質の構成をなしています。タマネギ、ニンニク、わさび、からし、大根などの香味の主成物(アリルイソチオシアネート)は、硫黄の有機化合物です。
硫黄の過剰障害としては、根が繊細化し硬化(根こぶ)の発生を起こすことがあります。
- 糖度9度のタマネギ栽培を目指す
- 肥料障害についてーマグネシウム(二次要素)
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2007.09.28 Fridayきゅうりは、マグネシウムが欠乏すると新しい根が発根しても褐変してきます。地際部に近い下葉部位から葉脈部間にクロロシス(新らしい枝の葉が黄化し、樹勢が徐々に弱まり、枯死する症状)を起こします。新しく出てくる葉は、下位の葉からマグネシウムを補うことにより正常な状態を保とうとします。
ブルーベリーは、クロロシスを発生させる原因として、土壌pH(水素イオン濃度)の上昇により有効なマンガン含量が低下することが指摘されています。ブルーベリーの最適pHが、4.5付近より高い値になると発生する傾向が見られるようです。粘質土よりも黒ボク土では症状が激しく現れるようです。一般的な黒ボク土はマンガン含量が低く、マンガン欠乏症が発生しやすいので、栽培は注意が必要であるとされています。土壌pHを下げるため、イオウ華を施用する方法が採られます。また、土壌改良時にピートモスを施用する方法も採られています。尚、天然ミネラルを抽出した後の粉末(強酸性)を少量撒布することにより改善させる方法もあります。この粉末には、多くのイオウ分が含まれているほか、その他の微量元素も含んでいるので、土壌pHを下げるために使用する目的以上の効果が期待されるからです。
メロンは、マグネシウムが欠乏すると、果実肥大期に上位葉の葉脈間の組織が斑点状に薄くなった後に褐変し面積が拡大して葉全体が枯死します。マグネシウムが過剰になると葉全体に細かい白色斑点が発生し、その後褐変します。下葉は、葉縁から不定形に黄化した後に葉脈周辺を残して黄化します。中位葉では、カルシウム欠乏症と同じく葉脈間に白色の斑紋が発生します。上位葉では葉脈間の退色が観察されます。
マグネシウムは、リン酸の吸収、体内移動に関与する成分であり、葉緑素の構成元素でもあり、光合成に関与するなどさまざまな物質代謝に関係している要素でもあります。
マグネシウムが過剰になり土壌中の苦土/石灰比が高いと、作物の生育障害が起きやすくなります。対策としては、塩化カルシウム、硫酸カルシウムの溶液を葉面散布します。尚、土壌pHが低い場合には石灰質肥料を施用して中性からアルカリ性の方向へ仕向けます。
- 秋に近寄る
- 肥料障害についてーカルシウム(二次要素)
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2007.09.26 Wednesdayきゅうりは、カルシウム(Ca)が欠乏すると、2〜3日で根が褐変します。新しい根の発根も悪くなります。葉の状態の変化は、特に若い葉に現れます。葉の外輪部端が伸びなくなり内側に巻き込む様に湾曲するようになり、症状が進むと褐変して葉脈との間に黄色い斑点が見えるようになります。カルシウム欠乏症状が現れる前に出ていた葉は正常な状態を維持するようですが、生長点の伸びは止まります。
とまとの尻ぐされは、開花時のカルシウム欠乏によるものです。果実に近い葉に欠乏症状がおこることにより出てきます。この症状は、塩化石灰の希釈液を葉面撒布することにより改善することができます。
白菜やキャベツでカルシウム欠乏症状が起こると、心ぐされ又は根ぐされ(チップバーン)症状を誘発します。カルシウムの量は、外葉に多く結球内部の葉は少なくなります。蒸散の少ない若い部位(内部の心葉)へのカルシウム移動は、夜間で空気湿度が90%以上の条件が整うときに起こります。この生理的作用は、イチゴの異常花や葉枯れ(チップバーン)でも同様の症状が起こると言われています。
- 肥料の過剰障害ー肥料の三要素(多量要素)
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2007.09.25 Tuesday肥料を過剰に与えると植物体に障害症状がでてきます。
きゅうりの場合、アンモニア態窒素(NH4)や窒素が過剰になると茎が細く、小さくなります。根部下葉より黄色く褐変した後に乾いて枯れます。とまとの果実は、黒すじぐされ病になります。草丈は伸びますが結実が悪くなります。葉物は、濃緑色になりエグミを感じるようになります。また、腐敗も早くなり病気にかかりやすくなると言われています。花や実がつきにくくなることも指摘されています。
リン酸が過剰になると茎の節間が硬化します。窒素過多と同様に、葉は根部下葉より黄色く褐変した後に乾いて枯れる症状を表します。全葉に斑点がでることがありますが、大きな被害は見受けられません。
- 土壌改良後に定植した路地きゅうりの状態
- 肥料について
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2007.09.23 Sunday作物は、肥料を与えて栽培します。代表的な肥料としては、窒素、リン酸、カリの三要素が知られています。これらの要素が欠乏すると生育障害がでます。土中の状態を見ることはできずらいのですが、水耕栽培をすることにより根の状態から葉の状態まで全体的な変化を見ることができます。
窒素が欠乏すると、根が白く細長く伸びます。葉の形状は、小さく淡い黄緑色になります。これらの症状は、窒素成分が欠乏してから1週間目位に変化が出てきます。症状の変化に気づいたら窒素を補給します。補給後1週間位で以前の状態に戻ります。
リン酸が欠乏すると、数日で根の先が赤くなり始めます。新しい根の発根も悪くなり、伸びる速度が鈍ります。茎は、細くなります。葉は小さく、深緑色でつやがなくなります。そのまま放置すると葉脈の間から葉の外周部が褐変して枯れてしまいます。
カリが欠乏すると新しい根の発根が悪くなり、黄色くなります。葉は地際部から上部にかけて黄色くなっていきます。葉脈と葉脈の間が黄色くなって枯れます。生長点の伸びが止まります。きゅうりの場合、果実が奇形になります。これらの症状が現れた段階で、カリを与えることにより新しく伸びる葉は健全な生育をするようになりますが、既にカリ欠乏症状が現れた葉の回復は期待できません。
- ネコブセンチュウ類に寄生された路地きゅうり
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2007.09.22 Saturday
ネコブセンチュウ類に寄生されたため葉がしおれて生育が悪くなりました。株元近くの根を掘ってみると細い根にコブがついていました。このコブが形成されることによって根の組織が壊され、水分や養分の吸収が悪くなり葉が黄変し枯れました。土質は、粘質土壌よりも砂質土壌や火山灰土壌などの排水のよい土壌での被害が大きいと言われています。害虫であるセンチュウの大きさは、雌成虫は成長すると0.5ミリメートル前後の球形〜洋ナシ型になり、雄成虫は成長してもウナギ状で長さ1mm位になるとのことですが、撮影をすることができませんでした。
土壌改良材としての効果を確認するため、害虫に犯された苗を全て抜き取り、ニームケーキパウダー細粒を土中にすきこみました。